第24回 内装―『断熱で快適な家づくりを』

飯田下伊那の断熱を考えた家づくりは宅建設店にお任せください!

一昔前の日本の家
「家の作りやうは夏をむねとすべし。冬はいかなる所にも住まる。暑き比わろき住居は、堪へ難き事なり。
―家の造り方は、夏のことを考えて造るのがよい。冬はどんな場所にも住むことができる。夏の暑さをしのげない悪い家に住むのは、耐えがたいことである。―」と吉田兼好が徒然草に書いているように、昔の日本の家は、冬の寒さよりも夏の暑さ、湿度対策を重視していました。軒を出したり、縁側をとったり、高床にしたり、窓や出入り口を大きくとったり、涼しく暮らすために様々な工夫がなされていました。
このような風通しがよい昔の家は、室内の熱が外へ逃げてしまうため、当然冬は寒いのですが、昔の人は、体のみを温めるコタツや火鉢などで暖をとっており、部屋全体を暖めるという考えをもっていませんでした。もちろん、壁や天井に断熱材など入っていません。

高気密・高断熱の家
家づくりにおいて、今でこそ「高気密・高断熱」という言葉をよく耳にするようになりましたが、それもごく最近の話です。20年~30年以前に建てられた家では、断熱材が入っていないことも多く、夏の暑さ、冬の寒さをひしひしと感じている方も多いと思います。
最近の家は、壁天井に、そして1階の床下にも断熱材が入っています。断熱材が入っていれば、冬は室内の熱が外に逃げにくくなり、暖房の効果も上がります。夏は外の熱気が室内に流れ込むのを防ぎ、室温の上昇を抑えることができます。
また、最も熱の出入りが大きい「窓」の断熱も重要視されています。窓ガラスを複層ガラス(ペアガラス)にすると断熱効果が高まり、ガラス面の結露を防ぐ効果も発揮します。
このように、家全体が断熱材に包まれた構造になっていれば外気温の影響は和らぎ、室内の温度を一定に保ちやすくなります。断熱材そのものが建物を温めたり冷やしたりする訳ではありませんので、冷暖房に全く頼らなくなるということではありませんが、より省エネで住まいの快適性を維持できるようになります。

気密性の良し悪し
気密性の良し悪しは断熱・遮音・防塵・換気などの室内環境に大きな影響を及ぼします。冷暖房の省エネにつながる、遮音性の向上などのメリットがある反面、気密性を高めることで外気の出入りが少なくなり、室内の空気が汚れる可能性が高くなります。高気密・高断熱による換気不足が、健康に悪影響を及ぼす可能性があるので、室内にこもった熱や汚れた空気は、窓を開放したり、換気扇を利用して外に逃がすなど、計画的な換気を考えることが非常に重要です。

「断熱」と「風通し」を考えた家
家づくりにおいて、風通しのよい家というのが、今も昔も日本人の家の判断基準であることを忘れてはいけません。神社仏閣の建物が何百年経っても腐らないように、風通しのよい昔の日本の木の家は長持ちで、耐久性があります。風を通すことは、身体にとっても、建物にとっても、とても大切なことなのです。
「断熱はしっかりしながら、自然の空気が流れる家があったらいいのに!」それに応えたのが、宅建設店でも手掛けている「エアサイクルの家」です。
人工的な空調に頼りすぎず、自然の風を上手に取り入れ、建物の中の空気を動かします。壁の内部や床下、屋根裏にまで空気が流れるしくみなので、建物も長持ちします。これらのしくみは、機械や電気の力を頼らず、温度差という自然の力を利用したものなので、余計なエネルギーを使いません。昔ながらの知恵と最新の技術をミックスした“自然体”の工法の家です。

リフォームでも断熱を
我が家は「夏とても暑く、冬とても寒い。」と感じている方も大勢いらっしゃるかと思います。古い家の場合は、断熱材が入ってないことや、入っていても薄い断熱材で効果が出ていないこともよくあります。断熱性の低い家は、冷暖房費がかさみ、経済的とはいえません。また、ひどい暑さや寒さは、体力のない方や高齢者にとって、健康面でも負担になります。
家をリフォームする際には、壁天井、床を壊したついでに、ぜひ断熱材を入れておきたいものです。大がかりなリフォーム工事を行わなくても、天井裏に人が入れる空間がある場合には、その部分に断熱材を入れることも可能です。また、断熱材を入れるだけでなく、窓も単板ガラスから複層ガラスに交換したり、今ある窓の内側にもう1枚窓を取付けて二重窓にするなど、窓断熱もあわせて考えましょう。
リフォームで断熱性をアップして、少しでも快適な暮らしを手に入れましょう。