第5回 外装―『窓から暮らしを見直そう!』

暖かく涼しい住まいは、窓がキーポイント
室内の快適性と省エネルギーを実現するには、窓の断熱が重要です。
家が蓄える熱量の約半分は、窓から出たり入ったりすると言われています。
暖房しても一枚ガラスでは、窓から48%もの熱が逃げてしまいます。また夏に窓から入る熱は、家全体の71%にも達します。窓の断熱対策をしていないと、せっかく冷暖房をしても効きが悪いばかりではなく、エネルギーを消費する一方です。

“断熱性”の高い複層ガラス
最近の窓ガラスは、複層ガラス(ペアガラス)が主流です。
複層ガラスは、2枚もしくは3枚の板ガラスの間に6 ミリ~12 ミリ程度の空気層があり、空気層が厚くなるほど断熱性能は上がります。さらに室内側、あるいは室内側と室外側の双方のサッシ部分が木や樹脂の複層ガラスは、断熱効果だけでなく結露を大幅に抑えることができたり、冷暖房効率も高くなります。
また、室外側のガラスの内側に特殊な金属膜を施したLow-E ガラスと組み合わせた複層ガラスの採用も増えています。このガラスは一般の複層ガラスより、冬は窓から逃げる熱を少なくし、夏は外から入ってくる太陽の熱や紫外線を抑えるため、冷房効率を高めることができます。
より断熱性を高めたいときは、窓を二重にする方法(二重窓)もあります。ついている窓の内側に、もう一枚窓を取り付ける方法なので、リフォームでも可能です。2つの窓が大きな複層ガラス状態になるので、断熱効果は格段にアップします。

複層ガラスのメリット“遮音性”
複層ガラスは断熱性がよいだけでなく、遮音性も高まります。
音は隙間から入り込みやすいため、単板ガラスではなく、気密性に優れた複層タイプにしたほうが遮音効果は高くなります。
騒音が気になる立地の場合は、二重窓がより効果的です。家の周りが静かであれば、室内から外に響く音(ピアノなど楽器演奏やホームシアターなど)に配慮しておきたいものです。

どっちがお得?
窓ガラスは大きく一般ガラスと高機能ガラスに分けられます。
一般ガラス(単板ガラスなど)は安価ですが、断熱などの効果は期待できません。それに比べ、板ガラスを数枚組み合わせた合わせガラスや複層ガラス、強化ガラスなどの高機能ガラスは、断熱性はもちろんのこと採光性、防音性、防火性などの機能があります。
価格はサッシとガラスの機能が上がるほど高くなりますが、窓の断熱性が高まると冷暖房効率が上がり、光熱費が抑えられるので、長い目でみれば費用の負担は少なくなります。
高機能ガラスの窓は、冬暖かく夏涼しい快適な住まいになるだけでなく、省エネで光熱費も安くなり家計の負担も軽減できます。