第20回 水廻り―『安心と省エネを考えるなら“オール電化”』

オール電化住宅とは
飯田下伊那地域でも、普及しつつあるオール電化住宅。宅建設店で工事させていただく中でも、「オール電化にしたい。」と要望をいただきます。昨今は新築、リフォームに関わらず多くのお客様が、オール電化住宅にされています。
「オール電化住宅」とは、家庭で使用するすべての光熱エネルギーを電気でまかなう住宅です。調理・給湯・冷暖房などを、ガスや石油式から電気式に切り替え、いっさい火を使いません。
では、今なぜこのオール電化が注目されているのでしょうか?

オール電化のメリット
まずオール電化の一番のメリットは、火を一切使わないということです。
■ キッチンはガスコンロではなく、IHクッキングヒーター(以下IHと略します)という電気調理器を使用します。
★ IHは炎がないので、衣服に火が燃え移る心配がありません。
★ ガスに比べると、油煙や水蒸気の発生が少なく、天井や壁、換気扇が汚れません。
★ タイマーや切り忘れ防止などの便利な機能がついています。

■ 給湯器は、電気温水器やエコキュート(家庭用給湯システム)を使用します。ガスや石油給湯器のように、不完全燃焼や燃料切れの心配がありません。

■ 冷暖房機器もエアコンや床暖房などの電気が熱源のものを使用します。
★ ストーブの消し忘れなどによる火事の心配がなくなります。
★ 燃料補給の手間が不要です。
★ 室内の結露を抑えることができるので、カビ等の発生を少なくすることができ、室内の空気も汚しません。

オール電化にするもう1 つのメリットは、省エネで経済的ということです。

■ ガスを使わないので、ガスの基本料金を支払う必要がありません。

■ 「エコキュート」にすれば、さらに省エネ。二酸化炭素の排出量も大幅に減らせます。
★ 夜間の安い電力を使ってお湯を沸かす「エコキュート」は、光熱費を節約できます。
★ 従来の燃焼式給湯器と比べて、約30%エネルギーを節約できます。
★ 災害時には、貯湯タンクの水が生活用水として利用できます。

 

オール電化のデメリット
オール電化には様々なメリットがある反面、デメリットもあります。

■ ランニングコストが安いオール電化ですが、導入費用はガス器具にした場合の3~6倍程かかります。

■ エコキュートは沸かしたお湯を大量に貯湯しておくタンクが必要です。そのため貯湯タンクの重量に耐えられる基礎工事と、大きなタンクを設置するためのスペースが必要です。

■ リフォームでIHにする場合
★換気扇の取り換え工事が必要な場合があります。
★ガス調理器で使用していた鍋類が使えなくなる場合があります。

■ 停電した時、家中全ての機能が麻痺します。
ただ、長時間にわたり停電が発生することは非常にまれですし、過去の災害ではライフラインの中で、電気が一番早く復旧しています。

オール電化住宅は、特に、お子さまやお年寄りの方がいるご家庭の、安全・安心な暮らしにおすすめです。また、災害時の火災の心配からも、オール電化は注目を集めています。
そろそろボイラーの取替え時期がきている方や、光熱費が気になる方は、オール電化住宅を検討してみてはいかがでしょうか。
さらに経済的に!という方は、太陽光発電と併せた導入をご検討ください。
導入費用は高額ですが、国、各自治体からの補助金制度があります。