第13回 内装―『快適な暖かさは足元から』

快適な床暖房
床暖房の最大のメリットは、なんといっても『快適性』です。
天井近くばかりが暑くなりがちなエアコンなどでは、足元は暖まらず、頭ばかりがボーッとなる経験をしている方も多いのではないでしょうか?
足元からじんわり暖めてくれる床暖房の場合、床面付近の快適さはもちろん、部屋全体がほとんど一定になり、均一な暖かさが得られるのが特徴です。
同じ室温でも床が冷たければ寒いと感じ、床温が高ければ室温が低くても快適と感じます。足元が暖かい床暖房は、むやみに室温が高くなくても快適と感じるといえます。
また、空気が乾燥したりホコリが舞うこともありませんし、石油やガスストーブのように室内で燃焼が行われるわけではないので、空気が汚れる心配もありません。このように清潔な室内環境を保つことができるという点が、健康志向のユーザーにとっては魅力です。
デメリットとして、立ち上がりが遅いため即効性がないという点がありますが、タイマー機能を上手に活用することで解決できます。

床暖房の種類と選び方
床暖房は、大きく分けて「温水式」と「電気式」の2 つに区分されます。

「温水式」は、ボイラーで沸かしたお湯を床下のパイプに循環させて暖房するしくみです。
お湯を沸かす熱源はガス、電気、灯油が使われます。最近では、大気熱を利用して給湯を行うエコキュートにも床暖房対応の機種がでてきています。

「電気式」は、ヒーターと一体化したフローリングなどを張るか、ヒーターを内蔵したパネルを床下に埋設して電気を通し、その上にフローリングやカーペットなどの床材を張る方法などがあります。深夜電力を利用して床下の蓄熱材に熱を蓄えるタイプもあり、割安な夜間の電力を利用することができるのがメリットです。

それぞれ特徴があり、商品によっても違いがありますので、どちらを選んだ方がいいのかは一概にはいえませんが、取り入れる面積や部屋数、生活スタイルから考えてみるとよいでしょう。
広い面積や数多くの部屋に設置したり、家にいつも誰かが居ることが多いご家庭であれば、維持費の安い「温水式」が向いています。逆にリビングや寝室だけというように、取り入れる面積が少ない場合、また共働きのため使う時間が限られているのであれば、「電気式」が向いていると言えます。
また、使う床材の種類やリフォームなどの場合であれば、取り入れる商品が限定されるかもしれません。

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床暖房選びでは、イニシャルコスト(設備費)だけでなく、ランニングコスト(燃料費・メンテナンス費など)も確認しておきたいものです。燃料の維持費という面では、温水式のガスの方が電気式よりも安いといえます。
しかし、温水式は機器代が電気式よりも割高で、熱源機の定期的な点検や部品の交換などメンテナンスの費用も必要になります。電気式は基本的にはメンテナンスは不要。とはいえ、どちらの場合も、メーカーのアフターメンテナンス体制をきちんと確認しておくことが大切です。
また、床暖房を生かすために、建物本体の気密性や断熱性を上げることも重要です。床暖房をご検討されるのであれば、宅建設店に一度ご相談ください。適切なアドバイスをさせていただきます。

最近は比較的施工が簡易なリフォーム向けの商品も出てきていますので、リフォーム予定の方も、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?