第8回 『知らないうちに進行する“家のガン”シロアリ』
羽アリを見たら要注意
昨年の5月のことです。「宅さん、脱衣室の床がフワフワしとるんだけど、見てくれんかなぁ」と飯田市内のお客様から連絡をいただき、伺いました。
「これは!?」と思い床下にもぐってみると、床下の木部(土台、大引、根太など)にはシロアリの食べたあとが・・・。お客様に状況をお話し調べたところ、浴室と台所の床下がシロアリ被害を受けていました。
早速、シロアリを駆除し、大引、根太の取り替え工事などを行いました。そのお客様は「最近、いやに小さい虫が飛んどると思とった」とのこと。その“小さい虫”は、実はシロアリの親である羽アリだったんです。
飯田下伊那のシロアリの繁殖期は4月~7月頃、この期間の蒸し暑い日などに、シロアリがいる家では羽アリが発生することがあります。羽アリがいたということは、その家にシロアリの巣があり、被害を受けている可能性があります。もし羽アリを発見したら、できるだけ早く調べることが必要です。
住まいの大敵シロアリ
シロアリは、日光を嫌い、暗い床下の木材内部、湿気を好むため、主に浴室や洗面所、キッチン、トイレ等の土台や柱、敷居を巣としています。木材だけでなく、食料である木材にたどり着くために、障害物であるプラスチックや鉛などの柔らかい金属やコンクリートなどをかじることもあります。
また、雨漏り、給排水管からの水漏れや結露があると、それに沿って屋根裏にまで被害が及ぶこともあります。
被害箇所をそのまま放っておくと内部が空洞化しているので、床板が落ちたり、建物が倒壊する危険性もあるため、地震、台風、火災に次ぐ第4の災害といわれています。
知らず知らずの内に家がシロアリに食い荒らされ、気付いた時には大切な資産が台なしになることがないように、日頃からこまめなチェックが必要です。
次の項目をチェックしてみましょう。
気になる項目があったら、また不安を感じたら、早めにご相談ください。
□ “羽アリ”を近所や家の中で見かけたことがある。
□ 最近、近所でシロアリ駆除をした家がある。
□ 廊下等の床に“ブカブカ”するところがある。
□ 柱を軽くたたいたときに“空洞音”のするところがある。
□ 最近、雨樋・雨戸が傷んできているように思う。
□ 増改築を行ったことがある。
□ 庭の木杭等にシロアリによる被害がある。
□ 雨漏りしている箇所がある。
□ 浴室等水廻りの入口敷居が“ギシギシ”きしむようになった。
□ シロアリ駆除をして10年以上経っている。
シロアリ予防は万全ですか?
床下に熱や湿気がこもるとシロアリが発生しやすくなるため、換気口をふさがないよう気をつけましょう。
ウッドデッキや木製のエクステリアが直接土に触れないよう土台を作ったり、枯れた草木や枝を放置しないようにするなど、シロアリが住みやすい環境を作らないことが重要です。
少しでも「シロアリかも?」と気になったら、早めにかかりつけの工務店や専門業者にご相談されることが早期発見、被害拡大を防ぐことにつながります。