第11回 防災―『火災警報器の設置で助かる命』
住宅用火災警報器って何?
火災が発生したときは、煙や炎を見たり、焦げ臭いニオイを感じたり、パチパチという音を聞いたりして、気づくことがほとんどだと思います。しかし、就寝中や仕切られた部屋などで集中している時には、火災に気づくのが遅れてしまいます。
そこで、家庭内での火災の発生をいち早くキャッチし、知らせてくれるのが、住宅用火災警報器です。
住宅用火災警報器は、火災により発生する熱や煙を感知し、音や音声で知らせてくれるものです。
「逃げ遅れ」を防ぐために
総務省消防庁の調べによると、2009年に建物火災で死亡した人のうち、約9割が住宅火災によるものだそうです。そして、住宅火災で死亡した要因として最も多いのが「逃げ遅れ」で、全体の約6割を占めています。
また、住宅火災による死者を年齢別に見ると、65歳以上の高齢者が約6割と、半数以上です。
「逃げ遅れ」は、深夜の就寝時間帯の火災発生で気づかなかったことが主な要因と考えられています。
このような背景から、住宅火災発生時の「逃げ遅れ」を防止するため、消防法が改正され、すべての住宅に住宅用火災警報器の設置が義務付けられました。
飯田下伊那地域の設置完了期日は、平成21年6月1日まででした。
今一度、ご確認を!!
★チェック1 まずは寝室をチェック!
すべての寝室に設置していますか。子供部屋など就寝に使用している部屋であれば必ず取り付けましょう。
★チェック2 2階建て以上の住宅はさらにチェック!
2階に寝室がある場合は、2階の階段上部の天井または壁にも設置が必要です。
★チェック3 廊下をチェック!
寝室として使用していない4畳半以上(床面積が7㎡以上)の部屋が5つ以上ある場合には、その廊下にも設置が必要です。
★チェック4 最後に台所もチェック!
飯田下伊那地域では、台所の設置は義務付けられていませんが、万が一のことを考慮し、火災警報器の設置をおすすめします。
以上の場所に設置できていない場合は、早急に設置をしましょう!!
火災警報器で助かる命
アメリカでは、すでに住宅用火災警報器の設置が義務化されており、普及率が90%を超えています。近年では、死者数がピーク時の約半分にまで減っています。
日本でも、住宅用火災警報器を設置していた家庭で助かった事例が多数報告されています。
<事例1>
1階の台所から出火。2階で就寝中の居住者が、階段の火災警報器の音に気づき、避難できた。
<事例2>
就寝中、掛け布団が電気ストーブに触れ、ふとんを焦がしたが、寝室の火災警報器が鳴り、気づいた居住者が、急いで水をかけ、大事に至らなかった。
起きてしまった火災から身を守るには、いち早く火災に気づくことです。
火事は決して他人事ではなく、どこの家庭にでも起こりうることです。万が一の時に、火災警報器があれば、いち早く火災を知らせてくれます。
「まぁいっか!」が命取りとならないように、必ず設置をしましょう!!